『プロ・ヘッドハンターが教える仕事ができる人のひとつ上の働き方 これが出世、年収、キャリアを左右する!』兼本 尚昌(ソフトバンククリエイティブ)

投稿者: たけし 投稿日:2012/11/11
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆

ヘッドハンター兼本尚昌氏による、スカウトマンから見たデキるビジネスパーソン像を解説した本。人材マーケットでキャリアアップを図れるビジネスパーソンと、下降線を辿るビジネスパーソンは何が違うのか?将来転職を考えているビジネスパーソン向けに、転職によってキャリアアップを実現するためのマインドセットの作り方などを紹介しています。

スカウトマン目線で見た"デキる"ビジネスパーソン像

著者の兼本氏は、ヘッドハンターとして主にエグゼクティブ(経営幹部)のスカウトをしている方です。本書では、転職によってキャリアアップを図れるビジネスパーソンの人物像について、彼のスカウトマンとしての豊富な経験からあぶり出しています。 ここで扱われているビジネスパーソン像はエグゼクティブクラスであり、対象読者も30代から40代の中堅社員や中間管理職となります。 ただし、ヘッドハンターのメガネに適うほどのデキるビジネスパーソンの仕事の仕方やマインドセットの作り方については、若手社員の方にも十分参考になると思いますので、そういった方も一読しておいて損は無いでしょう。
本書は5章構成となっており、最初の3章では、仕事ができる人のひとつ上のマインドセット、働き方、パフォーマンスアップ術が解説されています。おそらく企業からヘッドハンターに依頼される人物像や、ビジネスパーソンとの面談を通して蓄積された情報であると思われ、いささか抽象的な話や精神論が多めです。読んですぐに役立つ情報はあまりありませんが、長期的に成長していくための方向性としては、「なるほどな〜」と思うものがあります。
後半2章では、仕事ができる人が人材マーケットをどのように活用するのか、反対に、人材マーケットは仕事ができる人をどのように評価するのかについて述べられています。ここでは、転職でキャリアアップを図ろうと考える人がどのような点に気をつけなければならないかが書かれています。本書がリーマンショック以後に執筆された事もあり、内容はかなりシビアな印象です。不用意に転職し、その後のキャリアが下降線を辿る人が多いのか、著者はむしろそういった「そこそこの人」が下降線を辿らないように親身に忠告しているので、良い戒めになります。

デキるビジネスパーソンは、目の前の仕事に全力投球する

普段会社で仕事をしている中で、社外でも通用する「デキるビジネスパーソン」になるために何を身につければ良いか、パッと思いつくでしょうか?IT系であれば、高度な資格を取得する事でしょうか?いやいや、MBAや中小企業診断士などのビジネス系の資格を持つ事でしょうか?たくさん残業しても平気な事?お得意様の業務を良く理解している事? 兼本氏によれば、意外にも資格取得者であることよりも、まず普段の仕事に主体的に取り組み、成果を上げることを重視している言います。
世の中にはいろんな人が居て、そもそも問題が起きていることにすら気付かない人や、問題を問題と感じない人も居ますが、こういう人は論外として、問題を前にした時の態度は大きく二つに分かれます。一つは問題に気付きながらも見て見ぬふりをする人と、たとえ自分の職責外であっても、あたかも自分の問題であるかのように「どうすれば解決できるか」を真剣に考える人です。
仕事柄、私は様々なエグゼクティブの方と接していますが、仕事ができる人は後者、つまり「当事者意識が高い方」が圧倒的に多いと言えます。具体的には、自分の職責としてどうするか、この困難な状況をどうやって解決するかを真剣に考えるのはもちろん、自分の職責外の問題についても、会社として気になっていることをどのように解決するかを常に考えている人が多いのです。 こういうタイプの方というのは、景気動向や政治の動きといった自分の力ではコントロールできないことについては一向に気にしないのに対し、自分が当事者意識を持って事に当たればきちんとコントロールできる、つまり解決できる問題に対しては、自ら「問題のホルダー」になって、解決策を考えて行くところに特徴があります。反対に、当事者意識が希薄な人というのはあれこれと「できない理由」ばかり挙げようとします。悪い結果は外部環境のせいにして、良い結果は自分のお陰といったマインドのため、問題を前にして「自分ならこうする」「自分はこう変革する」という意識が薄いのです。

上記の人物像から察するに、問題設定能力、問題解決能力があり、普段から自分の仕事にそれらの能力を適用するクセがついている人物という事になるでしょうか。
二つ目は、自分の強みと弱みを正確に把握し、他者の追随を許さない圧倒的な強みを持っていることであると言います。兼本氏は、自分の強みを正確に把握する事の重要性を説いています。なぜなら、他者の追随を許さない圧倒的な強みを持つためには、まず自分の強み弱みを正確に知っていなければならないからです。それが出来ない場合、自分の弱みを克服するために多大な労力を費やす事になり、自分の強みを正確に把握している者との差は、時間を経るほどに開いていきます。自分の得意な分野に時間を集中させることの重要性については、以前紹介した勝間和代氏の著書でも同じ主張がありました。
三つ目は、プレイングマネジャーとしての能力だと言います。
管理職の中には、部下の管理だけを仕事だと思い込み、プレイングマネジャーとしての能力がひどく低下している人がいます。求められているのは、管理職自ら現場で闘う事です。ビジネスパーソンとしての戦闘能力を発揮しつつ、かつ部下のマネジメントも出来るエグエクティブなのです。
プレイングマネジャーとしての能力を維持するためには、管理職になっても現場との近さを保ち続ける努力が必要なのだとか。管理職になると、なぜプレイングマネジャーとしての能力が低下するのでしょうか。この点について興味深いヒントを本書の中に見つける事が出来ます。
安定企業の社員は通例、地位、年収、スキルがほぼ右肩上がりに上昇します。長く勤めていれば、「そこそこ」の人であっても「そこそこ」の地位につき、「そこそこ」の年収は確実に得ることができるのです。そのため、とかく「自分のビジネス・バリューは上がる事はあっても、下がることはない。」という誤った楽観に陥りがちです。しかし、現実の人材マーケットでは、常に上がり続けることはなく、激しく上下しているのです。
つまり、会社における昇進や給与アップを、現実の自分の実力とイコールに考えてはいけない、という事です。そう考えてしまった時点で成長意欲が失せ、自分の強みであったはずの能力が急激に錆び付くのでしょう。確かに欧米の役員は、それぞれが財務のプロであったり、プロダクトデザインのプロであったり、流通のプロであったりするので、本当にデキるエグゼクティブというのはそういう人物かもしれません。IT系であれば、管理職になっても構築系技術を磨いているとか、流通業のビジネスプロセスに詳しいとか、炎上した案件をいくつも収束させている人というところでしょうか。
全体を通して、会社勤めをしているだけでは得られない情報が多いので、将来転職を考えている方にはオススメです。

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