『なぜ、あの部門は「残業なし」で「好成績」なのか? 6時に帰る チーム術』小室淑恵(日本能率協会マネジメントセンター)

投稿者: たけし 投稿日:2012/09/05
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆

ここ数年、多くの企業が経費削減の一環として残業の削減を推進することが多くなりました。
そうした中、定時までの勤務時間内で生産性を上げ、業績を維持・向上するには、どのように働き方を変えるべきかを論じた本です。
経営層から現場のチームリーダークラスまでを対象に、主に人事や人材育成、チーム運営の観点から、残業を削減しつつ、生産性を上げる方法について解説しています。


一冊まるごと、チームマネジメント研修


著者の小室氏は、ワークライフバランスを企業に導入するコンサルティングを行っている会社の社長。
自ら子育てと社長業を両立しつつ、社員にも残業を禁止しています。
ワークライフバランスの考え方は、近年の社会問題(少子化、団塊世代の大量退職に伴う若年層の負担増)や、経済問題(大量生産型産業から付加価値型産業への移行、長引く不況に伴う経費削減と生産性向上)の2つを同時に解決できるかもしれない重要な概念であり、社会から大きな注目を浴びています。
小室氏自身も国会の公聴会で講演したり、TEDxTokyoで講演したりと、活動の場を広げています。

前置きが長くなりましたが、本書はその小室氏が、残業を削減しつつ業績を維持・向上するために、どのように人材を育成するのか、どのようにチームを運営するのかについて詳しく書いた本です。本書一冊で、マネジメント研修3日分を丸々受けたようなボリューム感があります。
とりわけスゴいのは、本書の半分を割いて掲載してある"「チーム術」を実践する6ステップ・25のツール"です。
通常のビジネス書やハックス本では、すぐに使えるテクニックがずらりと書いてあるのが普通ですが、この"6ステップ・25のツール"はそんな生易しいものではなく、組織変革のためのプロセス、手順、各プロセスの目的、ツール、各ツールを利用する時のポイントなどが細かく書かれているのです。何回か読込めば、実践ですぐに活用できるようになっています。


縦と横のコミュニケーションを活発にすることが、チームのパフォーマンスを上げ、残業削減の近道となる

学生時代にドラッカーの著書を読んだとき、「組織やチームとしてパフォーマンスを発揮させるためには、コミュニケーションが決定的に重要な役割を果たす。にも関わらず、近年の組織ではコミュニケーションの量が間違いなく減っている」という旨の現象を指摘していました。当時は「ふーん、そうなんだ。」と気にも留めませんでしたが、小室氏の著書を読んでいて、それが急に蘇りました。

チーム運営を良くする取り組みとは、すなわちコミュニケーションの取り方を改善することに他ならないのでしょう。

実際、本書の「チーム術」は十中八九マネジャー(あるいはリーダー)とメンバー間のコミュニケーションを増やし、信頼関係を築く方法であったり、メンバー同士のコミュニケーションを増やし、お互いの立場を考えてカバーし合う方法でした。
自分もSEという仕事柄、コミュニケーション不足によるトラブルが本当に多いと感じています。まずは本書を参考に、少しずつ現場を改善してみようと思いました。

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