『「残業ゼロ」の仕事力』吉越浩一郎(日本能率協会マネジメントセンター)

投稿者: たけし 投稿日:2012/06/30
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆

下着製造・販売で有名なトリンプの元代表取締役 吉越浩一郎氏が、残業をゼロにし、全社でライフワークバランスを実現するためにしてきた事をまとめた本。
吉越氏は代表取締役に就任すると、非効率だった会社の仕組みの改革に乗り出し、見事19期連続増収増益を達成した方。
経営者の視点で書かれているため、経営者や管理職向けの内容ですが、小さなチームを率いる現場のリーダーにも役に立つように工夫された書き方となっています。

吉越氏が残業をゼロにした施策とその考え方が満載

本書は、吉越氏がトリンプの代表取締役になってから、残業をゼロにするために実施した数々の施策が惜しみなく書かれています。 生産性向上をテーマにした書籍は数多くありますが、本書は経営者の視点からの生産性向上、つまり、時短テクなどのライフハックではなく、 社員に対して如何に密度の濃い仕事を就業時間内でやらせるかについてがテーマです。 中には社員にとってかなりしんどい内容もありますが、最終的に残業ゼロを達成しているため、一見する価値はあると思います。 吉越氏が実施した生産性向上策は、おおむね以下の通り。

‥按貪なIT化
 「コンピュータができる仕事を人間がやる必要は無い」の方針のもとに、衣料業界では珍しく、オリジナルで2000を超えるソフトウェアを作り、完全自動化を達成しつつ、自由度を高める工夫を実施した。

⊃融制度
 「『さん』づけ運動」、「ノー残業デー」、「リフレッシュ休暇」、「頑張るタイム」、「カジュアルフライデー」、「課長代行制度」、「禁煙奨励制度」

A反イ療合
 いくつもあった本部を、管理本部、マーケティング本部、営業本部の3つに集約。セクション間の壁が少なくなり、横の連携が良くなったり、トップとの距離が縮まり、縦の風通しも良くなった。

せ纏のやり方
 「早朝会議」、「デッドライン」の徹底。

これらの施策を続けた結果、個々人の生産性が5倍以上になったと言います。スゴいですね!


残業したら売上が伸びるのは当然。残業しなくても売上を伸ばすのが経営者の役目


著者の吉越氏は海外勤務の経験が長く、また妻がフランス人というユニークな経歴の持ち主です。
その経験から、日本人と外国人の働き方や、人生に対する価値観の違いがよく見えたようで、本書の至る所に日本人の伝統的な企業戦士的働き方に疑問を呈する記述が見られます。
例えば、日本人の多くは、会社の業績を上げるためであったり、顧客から緊急対応の依頼があれば、ついつい残業してしまいがちですが、吉越氏は、それはルール違反であると言います。

そもそも、残業で社員を疲弊させて売上を伸ばしたところで、それになにか意味があるのでしょうか。私にはわかりません。 ビジネスや仕事というのは、共通のルールの下で競われる「一種のゲーム」だと私は思っています。 そして、「決められた時間内に戦う」というのは大事なルールのひとつなのです。

このように、吉越氏は一貫して「仕事はゲームであり、世界と同じルールで如何に勝つためにはどうすればいいか」という信念を語っています。
ゲームである以上、如何に効率よく勝ち、ゲームをしていない時間を如何に充実させるか、という発想はある意味さっぱりし過ぎていてつまらないと思われる方もいるでしょう。
特に、会社の高潔な理念に共感して入社した人や、仕事で真剣に自己実現をしたいと願う人には、何とも不謹慎に映る事でしょう。
しかし、そう言うサバサバした経営者が結果的に残業ゼロを達成し、仕事以外の人生を充実させることに成功したというのは、なんとも逆説的で面白い話ですね。

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