『超訳・速習・図解 プロフェッショナルマネジャー・ノート』 柳井正・解説 プレジデント書籍編集部・編(プレジデント社)

投稿者: たけし 投稿日:2012/05/04
カテゴリー:【投資・金融・会社経営】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆

アメリカのコングロマリット・ITT社の伝説の最高経営責任者であるハロルド・ジェニーンが残した著書『プロフェッショナルマネジャー』を分かりやすく解説した本。
ジェニーンはITT社の最高経営責任者として在職した間に、14年半連続増益というアメリカ企業史上空前の記録を立てたことで知られています。
ユニクロの柳井正氏が尊敬する経営者という話を聞き、興味を持ったので本書を手に取ってみました。

見た目は読みやすい勉強ノート、中身は経営のプロ向けの難解さ

本書はユニクロの柳井正氏が、『プロフェッショナルマネジャー』をタイトル通り「ノートに取って勉強した」レイアウトで書かれています。 ページ見開き左側には、大きな文字でジェニーンの名言が目を引くように載っており、右側にその言葉の背景や、詳しい解説が書かれています。 解説本としてはとても読みやすく、印象に残りやすいのですが、内容は完全に経営者向けか、あるいは組織長以上の管理職向けに書かれていて、私のような一般社員には消化不良な内容が多々ありました。 ただし、若い人でも将来独立を考える人などは、一度目を通しておくのも悪くないと思います。

プロの経営者の冷徹な叙述が生々しい

本書の内容から伝わるジェニーンの人物像は、まさに冷徹な経営のプロそのものです。 ただし、経営理論を振り回すコンサルタントを全く信用していなかったり、可能な限り現場の正確な状況を知ろうとするなど、その行動には長年の苦労や経験に裏打ちされた職人的な泥臭さがあったりします。 例えば、キャッシュ・カウ&スター理論において、ドッグ(負け犬)となった事業に見切りを付けて処分してしまう事を潔しとせず、次のように述べています。
どうしても処分しなければならない事業なら、負け犬ではなくグレイハウンドに仕立ててから売るべきだ
また、毎年のように新しい経営理論で武装してくるコンサルタントについて、次のように評しています。
ビジネススクール出身者は、同じ教育を受け、同じ情報を研究し、同じ結論に同時に到達する。だが、そんな結論を実行したところで、功を奏さないと決まっている。
こうした経営者としてのブレない発言を支えているのは、自身の豊富な経営経験の賜物のように感じられました。

私がジェニーンの言葉の中で最も衝撃を受けたのは、会社でおなじみの給与体系というシステムについて語った言葉でした。

この方式の究極的な狙いは、昇進のある時点で従業員を会社の捕虜にすることだ。優秀な従業員には、会社が彼に支払っている給与以上の価値があるかも知れない。会社を辞めて、自分の実力を正当に売り込めば、もとの会社が支払っている給与の倍から20倍もの収入が得られたかも知れない。しかし、そう思いついた時には、転職するにはもう時機を失していた、という寸法だ。

なるほど、経営者は従業員をそのように見ているのか!と妙に納得した言葉でした。
サラリーマンを続けるか、転職するか、起業するかという選択は、どれがいいのか一概には言えない問題ですが、日本企業の勢力が下降線を辿る昨今では、ジェニーンの指摘を常に思い返してキャリアを積む方が精神的に健全ではないかと考えさせられました。

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