本書は『勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド』の続編として書かれたものです。勝間氏は時間管理術や生産性向上策を折に触れて説いています。それらの施策を実施して効果を上げるためには、周囲の人間とのコミュニケーションの取り方を大きく変える必要があり、これが一般的に同調性の強い日本人には思いのほか難しい事が問題になっています。そこで本書では、周囲の人間と関係を悪化させずに自分のやろうと考えている事に時間を使えるようにするコミュニケーション術、あるいは交渉術を解説しています。
図表は少ないが、参考文献は豊富
本書はページ数の少ない新書という形態ですので、勝間氏の得意な思考フレームワークや抽象的な図表によって何らかの考えを説明するという事はありません。随筆のように勝間氏個人が人生で身につけたコミュニケーション術や交渉術などを語っています。随筆ではありますが、他の著書と同様に参考文献は豊富に記載されていますので、本書をきっかけにより深く学習したい読者にも配慮された構成になっています。自分の軸を定めてほしい
自分の考えと異なる事、やりたくない事に対して"No!"と言える人と言えない人は何処が違うのでしょうか。著者も30代中盤までは「究極の優等生」と揶揄されるほどNoと言えないタイプの人間だったといいます。Noと言えない人間の弱点は、他人に利用され、自らを汎用品(コモディティ)としてしまう事です。もし読者が、思い描いたような人物像と現実の自分とが乖離していると感じているならば、Noと言えるように自分を変えて行く必要があるかもしれません。本書はそのための良い磨ぎ石となると思います。[スポンサーサイト]