『アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新』 野中 郁次郎 中央公論社

投稿者: たけし 投稿日:2009/01/26
カテゴリー:【新書・文庫】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆☆☆

 太平洋戦争では日本軍、アメリカ軍共に広大な太平洋で激しい島嶼の争奪戦を繰り広げました。この闘いで日本軍は陸軍と海軍の連携が上手く機能しなかったのに対し、アメリカ軍は陸軍でも海軍でもない海兵隊という軍事組織を先頭に立て、当時としては最善の装備、戦術を用いて有効な上陸作戦を展開しました。本書ではこの海兵隊という小規模ながら『陸・海・空の統合』というニッチな分野で成功を収めた組織の発祥から現在の存在感を得るまでに至る経緯とその成功の秘密を、自己革新的な組織のモデルとしてアカデミックな観点から分析しています。著者は知識経営論の生みの親として知られる野中郁次郎氏。
 現在のアメリカ海兵隊はアメリカ軍5軍の中で4番目の規模を持ち、人員18万人を擁しています。今でこそ陸上自衛隊より大きな組織ですが、歴史的には常に陸軍への吸収合併や廃止論が付きまとっており、常に存在価値を問われ続けてきた経緯を見ると官僚機構というよりは民間企業のような生存競争に晒されてきた組織であることがわかります。そんな海兵隊では常に時代の要請を先取りする嗅覚を発達させる必要があり、古くから中堅将校らによる組織の将来像の議論が活発だったようです。
 本書では海兵隊が時代の要請を先取りすべく、海軍付属の海上警察から脱皮し、水陸統合作戦のドクトリンを開発、そして現在の即応部隊としての姿を完成させるまでの経緯を、膨大な文書の調査を通して詳細に解説しています。個人的にはブルーオーシャン戦略の模範例のようにも思われますので、軍事のみならず組織論や企業戦略に興味を持つ方にオススメします。

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