『若者はなぜ「会社選び」に失敗するのか』渡邉正祐(東洋経済新報社)

投稿者: かーくん 投稿日:2008/12/30
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【か〜くんの紹介】 【おすすめ度:☆☆☆☆

 本著は、すべて対面で、2〜3時間ほどじっくり話を聞く作業を、200人以上に対して行われた取材をもとに書かれている。2007年に発売された本であり、比較的あたらしい情報が掲載されている。名だたる企業について、企業の文化や研修制度、大量離職の傾向など、就職活動の際に必要な様々な情報がまとめられ、比較がされている著書である。
 確かに、話を聞いている人数などからすると、すべてが正確な評価かといえば、必ずしもそうでないかもしれない。しかし、企業側から提供される耳障りの良い就職情報だけを鵜呑みにするのではなく、このような異なる視点からの意見に耳を傾けるには一定の価値がある。就職活動をする際には読んでおくべき1冊としてお勧めしたい。

 就職活動に共通の答えがあるわけではない。だからこそ、より考え、多様な選択肢の中から自分自身で選択をしなければならないと考えるからだ。 会社を選ぶための考え方や基準を網羅的に示した本は、ありそうでなかった。そういった点で本著はすぐれている。

 加えて、本著は日本の労働市場に対しても問題提起をしている。
「現在の日本社会は、高卒18歳、大卒22歳で新卒一括採用されたら60歳定年まで地位が安泰、20歳前後で失敗した人には再チャレンジのチャンスがなく、希望しない会社で働くか、フリーターや派遣社員になるか、というあまりに理不尽な社会だ。(中略)既存の生産性が低い正社員を解雇できないかぎり、再チャレンジは成立しない。雇用のゼロサム時代に突入しつつあるのである。」
 全体のパイが増えず、逆ピラミッド化(年齢構成も若年者が少なく高齢者が多い)しているなかで、年功序列制度という「ねずみ講」は、もはや持続可能性が低いとことが示されている。私も労働の流動性を高め、再チャレンジが出来るサポートの充実を図るという両輪で、市場の変化が必要であると考える。

 この本を読んだ後には、「年収ではなく、時給で考える」という視点で、次の著書をおすすめしたい。ライフ・ワークバランスを考える際に、時間制約はとても重要であるからだ。
 労働生産性が重要の重要性、改善方法が述べている著書として、『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』勝間和代をおすすめしたい。生き残るには、1時間あたりの生産量(時給)を上げなければならない。なぜなら、単位時間当たりの生産性が低い仕事は、アウトソーシングされ、日本からはなくなるからだ。世界では、すでに起きており、その状況を紹介している著書として、『フラット化する世界』トーマス・フリードマンもお勧めしたい。母国語が日本語でないので、その波がずれてやってきているだけなのである。その波は目の前までやってきているのだ。
 現在も生き残っているのは、『ガラパゴス化する日本の製造業』宮崎 智彦が述べるように、日本がガラパゴス化しているだけな面もあると自覚するべきである。

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