『大量かつ有象無象の情報の中から正しいインテリジェンスを抽出するために、本当に必要なのは経験から来る直感なのか、統計的なメソッドなのか?』というのが本書のテーマ。
人間が問題解決するために用いる思考方法には2種類あり、情報工学的な言い方をすれば、直感に頼る方法はヒューリスティック、メソッドによる方法はアルゴリズムと呼ばれる。ヒューリスティックは、言わば熟練工が機械の故障の原因を瞬時に推測してしまうパターン認識能力であり、結論が素早く出せるので我々も日常生活の中で無意識のうちに用いている。
ヒューリスティックによる情報分析は便利ではあるが、場合によっては結論にバイアスがかかり、正しいインテリジェンスの抽出に失敗する事も多々ある。このバイアスの影響を最小限に抑え、インテリジェンスの正確さを向上させるために、多くの情報分析メソッドが研究されてきた。本書は文庫本ながら情報分析の理論やメソッドがグラフィック付きで多数収録されており、情報分析に興味を持つ読者に、客観的な情報分析メソッドの有用性を分かりやすく示唆してくれている。
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