『スタバではグランデを買え!』吉本佳生(ダイヤモンド社)
投稿者: かーくん 投稿日:2007/12/22
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【か〜くんの紹介】 【おすすめ度:☆☆☆☆】
「お茶が飲みたい!」と思ったとき、(1)近くの自動販売機、(2)1km先の割安なスーパー、あなたはどちらで購入するだろうか?私はついつい近くの自動販売機で買ってしまっています。10円、20円を浮かせるのに、1km歩くのは時間がもったいと思ってしまうからです。
取引コストに関する本です
このように日常生活を振り返ってみると、買い物をするときには「買うモノの価格」以外に、手間つまり「取引コスト」を気にしていることがわかります。日常生活ではあまり意識をしない「取引コスト」に注目することで、生活の中の疑問点を考えてみようというのが、本著『スタバではグランデを買え!』のねらいです。採り上げられている話題は、次のようになっています。
第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?
第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜか?
第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?
第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらと複雑なのか?
第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?
第6章 100円ショップの安さと秘密は何か?
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
最終章 身近な話題のケース・スタディー
「生活の中で得をしたい!(損をしたくない!)」と思っている人にお勧めしたい本です。経済学的な発想で買い物上手になれる1冊だと思います。「取引コスト」を意識していないと、買うモノの価格では得をしているつもりでも、実際は損をしていることが多くあります。
経済学の入門書としても使えます
また、経済学を学ぶときに良く出てくる用語が実例を交えてわかりやすく紹介されています。例えば、規模の経済性、平均コスト、経験効果、範囲の経済性、比較優位、機会コスト、モラルハザード、埋没コスト(サンクコスト)が説明されています。ですので、経済学部の1,2年生の人や来年から経済学部に進学する人にもおすすめしたい1冊です。進学祝いにプレゼントに良い本かもしれません。スタバについてはあまり書かれていません
最後にこの本で1点だけ気をつけないといけないことがあります。『スタバではグランデを買え!』は、スタバの経営戦略について書かれた本ではありません。スターバックスについて採り上げられているのは5章のみです。したがって、スターバックスの経営戦略については、『スターバックス5つの成功法則と「グリーンエプロンブック」の精神』、『スターバックス成功物語』などを参考にしてください。[スポンサーサイト]