『トヨタの正体』横田一、佐高信、週間金曜日取材班(金曜日)

投稿者: かーくん 投稿日:2007/06/09
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【か〜くんの紹介】 【おすすめ度:☆☆☆☆

 先日、トヨタを優等生的に紹介をしている『トヨタモデル』阿部和義(講談社)を紹介した。反対に今日は、トヨタについて批判的に述べられている『トヨタの正体』を紹介する。マスコミが書けないトヨタの正体を暴いた刺激的な本であった。

 いろいろと驚きがあった。そのうち環境問題と労働問題の2つを取り上げたい。まずは環境問題に関するトヨタの正体を見ていこう。
 トヨタが環境に優しい企業としてのイメージを持つようになった一因にプリウスがある。燃費が良くなり、環境負荷が低くなるというものである。
 しかし、ハイブリットカーは製造時に通常の車よりも環境負荷を与えるのはご存じだろうか?あまり車に乗らない人が環境に優しいと思いプリウスに買い換えても、製造から廃車までのトータルで考えれば、環境負荷をむしろ高めかねないのである。
 また、トヨタは北米で燃費の悪いトラック系の販売に力を入れている。そのため、トヨタが販売している車の平均燃費は悪化している事実がある。しかも販売台数が増えていけば、自動車が環境にかける負荷の総量は高まっているのだ。したがって、トヨタ全体ではむしろ環境を悪化させているのである。

 悪化していると言えば、トヨタの車を作る人の労働環境がある。下請の関連企業ではコスト削減に迫られ、外国人労働者に対して最低賃金以下の賃金しか払っていない場合がある。また、期間工も苦しい労働環境で働かされている。それについては、鎌田聡が『自動車絶望工場』において、トヨタの工場に期間工として潜入した経験が示されている。
 また、デンソー本社では約1万人の社員がいるが、そのなかで心の病を抱えて、休職している社員が200〜300人いる。自殺者や退職者を含めるとこれ以上の人数になる。加えて、トヨタ自体でも2005年の一年間で20人が労災でなくなっている。
 このような状態にもかかわらず、これまでトヨタの労働組合は経営陣の言うことを聞くだけであった。しかし、「全トヨタ労働組合(全トユニオン)」という非正規雇用である期間工や派遣労働者も対象とした労働組合が発足している。こちらの活躍による労働環境の改善を期待したい。

 どうしてこれらの情報があまり報道されないのだろうか?リコールが出ても、新聞では小さな記事扱い、ニュースでもトップでは報じられない。その答えの一つにトヨタがマスコミに支払っている広告料がある。2004年度で817億円にのぼり、10年間連続でトップとなっている。つまり、広告料を人質に口止めをしているのである。
 すでに紹介をした『偽装国家〜日本を覆う利権談合共産主義〜』勝谷誠彦(扶桑社)の書評でも述べたように、多くの本でこのようなマスコミの体質が示されている。たまたまそのような本ばかりに出会ったのだろうか?そうとは思えない。

 ここで紹介した以外にも、トヨタと自民党の関係、愛知万博は愛知トヨタ博であり税金の無駄遣いをしている実態、レクサスISとマークXは中身である車体構造が同じなのにもかかわらず100万円も高いことなど、トヨタの正体が暴かれている。100ページほどで簡単の読めるので、是非読んでもらいたい1冊である。

[スポンサーサイト]

『トヨタの正体』横田一、佐高信、週間金曜日取材班(金曜日)の関連本

スポンサーサイト

トラックバック

『トヨタの正体』横田一、佐高信、週間金曜日取材班(金曜日)
に関連するトラックバックをお待ちしています。トラックバックURL:
http://www.noaruseikatu.jp/cgi-bin/mt/no-tb2.cgi/158
承認後の表示になります。ご了承ください。

のある生活:音楽のある生活エクセルのある生活メモのある生活ヒト・コト・モノをtabaneru.jp