2007年第一四半期においてGMを上回り、販売台数が世界1位となったトヨタ。世界から注目されるまでになったトヨタ自動車について、その成功の秘訣に迫ろうというのが本著の目的である。その要因として筆者は次の2つを挙げている。
1.いつも危機感を社員に与えて改善に取り組んでいること
2.「質素と倹約」がDNAのように引き継がれていること
この2つの要因を踏まえて、
- 中部国際空港(セントレア)とトヨタの関係
- レクサスの誕生秘話
- トヨタの販売哲学・海外展開について
- かんばん方式の真髄
- トヨタの労使闘争史
- トヨタのコストダウン哲学
などについて述べられている。トヨタの歴史や全体像をつかむには良い1冊であった。また、巻末には参考文献も示されており、それらを読むことで、より詳細な情報を得ることができる。購入しやすい価格であり、これからトヨタについて学びたい人におすすめしたい。
本著『トヨタモデル』阿部和義(講談社)は、優等生的にトヨタ解説がされている1冊であった。一方、トヨタについて批判的に述べられている1冊に『トヨタの正体―マスコミ最大のパトロン トヨタの前に赤信号はないのか』がある。豊田市周辺での売り上げが高いそうである。トヨタの影が記されたこの本についても、日を改めて紹介したい。
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