『フラット化する世界(上)』トーマス・フリードマン(日本経済新聞社)
投稿者: かーくん 投稿日:2007/04/19
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【か〜くんの紹介】 【おすすめ度:☆☆☆☆☆】
アメリカからコールセンターに電話をかけるとインドに繋がる。アメリカ人のように英語を話すインド人が丁寧に対応をしてくれるのだ。コールセンターの労働者は24.5万人にのぼる。
公認会計士の仕事も、アメリカの公認会計士の資格を取得したインド人がインドで仕事を行う。アメリカでは領収書がスキャナーされ、インターネットでインドに転送される。そして、時差の関係で、アメリカ人が寝ている間に書類作成が行われ、アメリカで朝がくれば、すでに書類は完成した形でパソコン上で確認できる。
これまであった世界の壁は、音を立てるように崩れていっている。
そう、世界はフラット化しているのだ。
本著『フラット化する世界(上)』では、このようにフラット化している世界について、その要因が次のように示されている。
- ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代
- インターネットの普及と、接続の新時代
- 共同作業を可能にした新しいソフトウェア
- アップローディング:コミュニティの力を利用する
- アウトソーシング:Y2Kとインドの目覚め
- オフショアリング:中国のWTO加盟
- サプライチェーン:ウォルマートはなぜ強いのか
- インソーシング:UPSの新しいビジネス
- インフォーミング:知りたいことはグーグルに聞け
- ステロイド:新テクノロジーがさらに加速する
では、フラット化によって私たちの生活はどのように変わるのだろうか。簡潔に述べると痛みを伴う変化となるだろう。これまで先進国で行われていた仕事はコモディティー化し、途上国で安価に高品質に行うことが可能になった。これまでの私たちの仕事は、猛烈な勢いで途上国に流れていっているのである。
今後は、日本でもホワイトカラーのアウトソーシングは進んでいくだろう。5〜7年後には英語、日本語、中国語を使い分けられる優秀な中国人学生が大量に大学を卒業するのだ。
では、私たちは今どうするべきなのか。悲観する必要はない。その答えとして『フラット化する世界(下)』ではフラット化する世界で生き延びる術が示されている。こちらについても、紹介文を掲載しています。生き延びる術はそちらで確認をしてみてください。
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