『だから、顧客が逃げていく!―買う気をなくさせるサービスとその撲滅法』レイ コンシダイン/テッド コーン(著), 田辺 希久子 (翻訳) (ダイヤモンド社)
投稿者: たけし 投稿日:2006/12/26
カテゴリー:【ビジネス・経済・キャリア】 【たけし】 【おすすめ度:☆☆☆☆】
接客の仕事に携わった経験のある方なら誰でも、忙しい時に手間のかかる要求をしてくる客や、口うるさくクレームをつけてくる客に閉口した事が一度はある事でしょう。とはいえ、忙しいからという理由だけでそういったスムーズにいかない客を適当にあしらってしまっては、売り上げは他社に奪われる一方。店はすぐにガラガラに。ではどうすれば良いのか?今回は、そのような「顧客を逃す瞬間」について考えさせられる一冊をご紹介します。
本書は、アメリカでセールスとカスタマーサービス専門のコンサルタントである著者が、一人の顧客を失うというミクロな現象が如何に企業というマクロな存在に大きな損失をもたらすかという事を、豊富な実例を用いて説いた本です。企業が利益を上げる為には自社商品の優秀さは欠かせない要素ではありますが、他社を全く寄せ付けない商品などめったに開発できるものではありません。そのような場合、どのように売り上げを伸ばすのが最良の策だと思われますか?新規顧客の開拓?それを確保する為に広告宣伝を増やす?それも一つの方法です。しかし著者は、現在取引している顧客を大事にせよと主張しています。そんな事はもうやっている!とお思いになりますか?しかし多くの企業の現場では、様々な原因で顧客が不満を持ち、一人、また一人とその企業から去り、その顧客が将来払ったであろうお金が水の泡と消えているのです。原因は、店員の軽はずみな言動に傲慢な態度であったり、顧客不在で企業に都合が良いだけのポリシーやマネジメントであったりしますが、本書で見られる実例はいかにも巷でよく目にするものばかりです。そして著者は、これらの原因の殆どが未然に防げるものであると断言しています。さて、その撲滅法とは何か?
本書は現場のチーフから経営者まで、主に管理職を対象として書かれていますが、販売現場を詳細に描写した実例が多く、読み物としてもとても面白く書かれていますので、第一線の販売スタッフにもお勧めできます。是非一度、手に取ってみて下さい。
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